注意 : 2009年9月より日本語教師として、 哈爾濱(ハルビン)工業大学に一年間赴任中の所属指導師兼中国語会話コース初級講師の関根稚恵先生からの便りです。
 
 


 
 

哈爾濱(ハルビン)便り10

 
哈工大周辺限定ハルビンお茶事情
 大家好!皆さんお元気ですか? やっと涼しくなり、暖かいお茶が飲みたくなる季節になりましたね。
 さて、今回はハルビンのお茶事情と私が一息つきによく行った茶館&カフェをご紹介します。
 基本的にハルビンでは工夫茶器を使ってお茶を飲む習慣は無いようです (学生からは、「それは南方の習慣です」と言われました)。 そのため、お茶を楽しむための茶館は少なかったです。 ハルビンでは、マイカップ/マイボトルに茶葉を入れそこにお湯を注いで繰り返し飲む、というスタイルが多いようです。 先生方も学生もマイカップ/マイボトルを持って教室に来ていました。
 また、レストランで日本の「お冷」にあたるものは「白水(さ湯)」です。 円卓などでは茶壺(急須)で出てきますから、 「中国=お茶文化」のイメージが強いとただのお湯が出てきてガッカリしてしまうんですよね。 特にカナダやアメリカの先生方は「どうしてお茶じゃないの~」と不思議がっていました。
 結局、哈工大(哈爾工業大学の略)周辺だけですが、茶館は3軒あり、 そのうち1軒はいつも閉まっていて入れませんでした。 それに比べカフェの方は、怪しいのから本格的なものまで8軒もありましたよ。 カフェが多いのはやはり大学近くだからでしょう。 黒竜江大学周辺にもたくさんありました。 実際に利用している人も学生や留学生、外国人教師が多かったですね。 一般の中国人はまだコーヒーを飲む習慣は無いですが、豊かになった若者から少しずつ受け入れられているようです。 でも、まだまだカフェは高いので、私もたまーに現実から離れ一人でボーっとしたい時に行っていました。
 そんなカフェも経営者によって特徴があります。 ハルビンで初めて入ったカフェは、赴任早々同僚と大学周辺を散策していた時、偶然見つけた「Provence Cafe」です。 ここは前に哈工大でフランス語を教えていたというフランス人(フィリップさん)が経営している、 完全なヨーロピアンスタイルのお店です。 普通に日本でカフェに居るような趣で、同僚と二人「ハルビンでもこんな店があるんだね」と感激しました。 その後行ったのは2回くらいでしたが、コーヒーの他にはチーズケーキとクレープを食べたことがあります。 美味しかったですよ。ワインも置いてありディナーメニューもあったので、 フランス語の先生はもちろん、英語の先生方もよく利用していたようです。
 その他、台湾出身の奥様と(確か・・・)パプアニューギニア出身のご主人が経営している「HAMAMAS」は、 パスタやタコス、ハンバーガーなどの日替わりランチがあり、味もイケるのでお昼時はいつも込んでいましたね。 大学正門から近いためか留学生も多く、店の中は中国語と英語、ロシア語、韓国語が飛び交っていました。 コーヒーや紅茶の種類も多く、 私はタイのコーヒーか紅茶(スミマセンどちらか忘れました)を飲んだことがありますが、 三層になったあのオレンジの部分が何だったのかよく分かりませんでした。 プリンが美味しいとの噂を聞いたのですが、ついに食べに行くことができず残念です。
 私が好きだったのは大学内にあった「芒果咖啡」です。 残念ながら春節休みに閉店してしまったのですが、ここは知る人ぞ知る穴場的な店で、 人が少なく落ち着けて、子猫がいたので癒されて、本当にまったりと時間が過ごせて好きだったんですよね。 若い中国人カップルが経営していたようですが、人が来なくちゃ、お店閉めることになっちゃいますよね。
 それからもうひとつ、一番よく行っていたのが「猫様生活」です。 名前に猫が付きますが本物の猫はいなくて、猫の置物や本などがたくさんある、落ち着けるいい店でした。 「HAMAMAS」の近くにありましたが、それほど込んでいなくて、午前の授業がある日には何度か寄ってランチをしました。 ここのいい点はコーヒーや紅茶の他にウーロン茶や緑茶、菊花茶などチャイナテイストのお茶も杯or壺であることです。 1杯飲みきってもお湯を追加してもらうことができるので何杯でも飲めました。 寮が停電の時はよくパソコンを持って行って、 窓に向かったカウンター席(私のお気に入り席)で授業の準備をしたものです。 いつもにこやかな阿姨(おばさん)とお姉さんがいて、ちょっと変わった中国語の曲が流れている、 何時間でも居られるそんな店でしたね。あ~懐かしい。
 昨年10月から書き始めたこの「哈爾濱(ハルビン)便り」も今回で終わりです。 もう日本に帰って来ていますし、切りよく10回目ですしね。 何だかまとまらないままツラツラと書いてきましたが、皆さん、いかがだったでしょうか?  自分ではよくここまで書き続けられたと思っていますが、これも、読んでくださった皆さんのお陰だと感謝しています。 ありがとうございました。また、楊先生には毎回毎回ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。 そして、励まし、支えてくださってありがとうございました。
 これからも、このような中国を紹介する機会があれば嬉しいですね。 ではまた、皆さんお元気でお過ごしください。

Provence Cafe


HAMAMAS


芒果咖啡


芒果咖啡の店内
(関根稚恵 2010年)
 


 
 

哈爾濱(ハルビン)便り9

 
旅の思い出~大連、そして北京
 大家好!皆さんお元気ですか? 残暑お見舞い申し上げます。
 ハルビン工業大学での日本語教師の任期も終了し、おかげ様で無事帰国しました。 2009年8月27日からの約1年間、ハルビンで過ごした日々は、長かったような短かったような・・・。 何だか、夢だったような、ワープしたような、ちょっと不思議な感じがしています。 事実、異空間にいたわけですからね。
 当初心配していた寒さも、実際に生活してみると何とかなるもので(この事は以前にも書きましたね)、 ハルビン人も驚きの40年ぶりの大寒波にも、体調を崩すことなく過ごせました。 しかし、今振り返ってみると、やはり氷と雪に閉ざされた時期は長く、行動範囲も限られていました。 また大学のスケジュールがなかなか決まらなかったり、急に変更になったりと、 こちらも自由に行動できなかったため、比較的近場の瀋陽や北京に遊びに行くこともできず、 少々悶々とした気分を抱えていたのが正直なところでした。
 それでも、7月上旬には(4年生の卒業論文指導の合間を縫って)大連に行ってきましたよ。 しかも念願の寝台列車(硬舗の上段)で!大連はハルビンから特快で約9時間の遼寧省にあります。 東北地方でも冬は温暖で夏も涼しく(大連出身の学生談)、過ごしやすい地域だそうです。 でも、私が行った日は、非常に暑くて暑くて・・(受不了!)。 貿易港湾都市として発展している大連は、日系企業も多く、 日本語の分かる人(日本語を勉強している人)も多いようです。 実際に街で買い物をしていて、こちらが日本人だと分かると、すぐ日本語で対応してくれました。 これはハルビンでは経験のないことだったので少し新鮮でしたね。 海もあって、海鮮が美味しくて、街並みも美しく、日本語を勉強している人も多い――。 今度は大連で日本語教師をしてもいいかも、と思ってしまいました(友人もいるし)。
 そして、帰国の前に北京にも立ち寄って来ましたよ。 まあ、もう!北京は都会!大都市ですね!!  ハルビンと比べるから余計にそう思うのかもしれませんが、あまりに違い過ぎ、感激しました。 今回行ったところが王府井や故宮博物院、天壇公園などの観光地ということもありますが、 通りにゴミは無く、街も店も明るく綺麗でしたよ。 バスにも並んで乗車していたし、車(タクシー・バス含む)の無謀運転は無く、 クラクションが鳴ることも少なく、店員の態度も比較的穏やかで、秩序があると感じました。 これもオリンピック効果でしょうか。 あまりの都会ぶりにすっかり舞い上がってしまい、1年近く中国で生活していたにも関わらず、 ウイグル族のお兄さんの口車に乗って高い買い物をしてしまいました。 何ということのないドライフルーツとナッツを飴で固めたお菓子だったんですが、 「ここからここまで」と言った部分を切り取って計ってみたら・・・。 超重い!あー、これだから量り売りって嫌い・・・。
 こんな間の抜けた私ですが、それでもどうにかこうにかハルビンでの仕事をやりおおせたわけです。 それも多くの方々の協力や支えがあったからこそだと感謝しています。 皆さんがこのハルビン便りを読んでくださっていることも励みになりました。 ありがとうございました。 次回は最後に、こぼれ話など集めてみたいと思います。
 ではまた、皆さん厳しい残暑が続きますが、お元気でお過ごしください。

切符(ハルビン⇒大連)


大連駅


故宮博物院入り口


天壇公園(祈年殿)


老舎故居
(関根稚恵 2010年)
 


 
 

哈爾濱(ハルビン)便り8

 
創立90周年!
 大家好!皆さんお元気ですか?
 日本で6月と言えば、梅雨の季節ですが、今年の天気はどうでしたか?  ハルビンは6月に入るなり、真夏のような暑さが続きました。 室温計を見ると、気温は36℃!  日本で言えば「猛暑日」ですよね。 慌てて帽子や日傘を買い、外出時には必ずサングラスを掛けるようになりました。 それに、卓上扇風機まで買ってしまいましたよ。今は暑さも和らぎましたが、 この暑さはハルビンだけだったようで、南の地方でもまだここまで気温は高くないそうです。 学生や先生方も異常気象だと話していました。
 真冬には-40℃近い寒さを経験し、6月で早くも真夏(猛暑日)を経験するとは、 もうどこに行っても生活できる気がします。
 そんな猛暑日の続いた6月初旬にハルビン工業大学は創立90周年を迎えました。 1920年、当時は「ハルビン中露工業学校」という名で、 ロシアが中国に建設する中東鉄道の技術者育成のための学校として設立されました。 その後、1922年に「ハルビン中露工業大学校」と改名し大学となりました。 現在の「ハルビン工業大学」の名は1938年からだそうです。 第一キャンパスのメインビル(主楼)はロシア風の建築で、モスクワ大学に似ているそうですよ。 中国では、重点大学の一つとしても優秀な理工系大学としても大変有名です (今まで会った中国人で、名前を聞いて知らない人は一人もいませんでした)。
 日本でも、有人ロケットの開発やロボット開発の分野でご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ただ、学生数が、本科生・研究生・修士・博士などを合わせ41,000人余りと、 規模が大きく、具体的な学部や学科などの構成がよく分からないため、そこは割愛させていただきます。 詳しくは ホームページ をご覧ください。 基本は簡体字の中国語ですが、英語版もあります。
 ちなみに、私が所属している外国語学院(学院が日本の大学の学部に相当するようです) 日本語系(日本語科)は2000年に設立されたばかりの新しい学科です。 第二外国語としての日本語教育は1960年代頃から行っていたようですが、 専門としての日本語教育はまだ最近だったんですね。
 6月5日、6日に行われた90周年記念の屋外音楽会や式典では、中国国内外からも卒業生やお客様が大勢集まり、 その様子はハルビン電視台で放映されました。 キャンパス内はお祝いムード一色!  学生、教職員だけでなく、スーパーや食堂などキャンパス内で働く人々が、 皆それぞれの所属(職場)で用意したお揃いのTシャツやポロシャツを着て、浮かれた様子でしたね。 外国語学院でもピンクのポロシャツと白いキャップ (NIKEのマークがありましたが、学生は「偽物ですよ」と言っていました)が配られ、私もそれを着て、 なぜかキャンパス内のメインストリートを先生方と一緒に1時間もかけて練り歩きました。
 私が着任した去年の夏から続いていた校舎の改修工事も、積まれたままだったレンガやがれきの塊も、 すっかり片付けられ、外壁もきれいに塗り変えられました。 柳の下にはベンチが置かれ、花が並べられ、見違えてしまいました。 キャンパス内で生活をしてきた者としては、不便や危険を感じていたので、 「もっと早くしてくれても良かったのに・・・」と微妙な気分でしたが、そこはメンツというか見栄というか、 全てはこのイベント期間に合わせるためだったわけですね。 中国らしいと言うべきでしょうか。







(関根稚恵 2010年)
 


 
 

哈爾濱(ハルビン)便り7

 
目指せ!オーダーメイドのチャイナドレス!!
 大家好!皆さんお元気ですか?
 5月21日に、NHKの「世界ふれあい街歩き」という番組で、ハルビンが紹介されましたが、 皆さんはご覧になりましたか?  いつ頃ロケに来ていたのか、分かっていれば撮影の様子を見に行きたかったですね。 そうすれば、こっそり写ることもできたかも(*^_^*)。
 さて、前回のハルビン便りで、「ハルビンの春は花も緑も無い」と書きましたが、 いえいえ、そうではなかったです。 5月に入った途端、木々は緑に色づき、桃やライラックが次々に咲き、風に揺れる柳から柳絮も舞い始めました。 一気に夏がやって来たようです。
 爽やかな初夏の陽気に、身も心も軽やかに街に出かけたいところですが、 去年の夏に着ていた服がどれもこれもキツクなっていて、何を着ていいのか困った状態になってしまいました。 そんな時、こちらの先生がオーダーメイドでスーツを作っているとおっしゃっていたことを思い出しました。 確か、ジャケットとスカートの一式で700元(約1万円)だったと思います。 日本では考えられない安さですよね。 それに、「お正月はみんなでャイナドレスを作ってお祝いしましょう」と、誘われていて、 結局実現できずにいたことも思い出しました。 せっかく中国に来たのですから、やっぱりチャイナドレスも作らない手はないですよね。 どうせ作るなら、やっぱり体型は元に戻さないと。
 そこで、目指せ、オーダーメイドのチャイナドレス!!
 ダイエットを決意しました。 まずは早起きして時々ウォーキングと時々太極拳を始めました。 ハルビンは今、朝4時には日が出て明るくなるんですよ。 キャンパス内ではウォーキングやジョギング、太極拳、テニス、バスケットなど、 朝からたくさんの人々が思い思いに体を動かしています。 朝は風もなく、日差しも強くありませんから、本当に気持ちがいいですよ。
 先日は、ウォーキングがてらに大学近くの朝市に行ってきました。 秋の頃に何回か行ったことがありましたが、冬の間は寒くて足が遠のいていました (実際は市が立っていたのか知りませんが・・)。 久しぶりに行ってみると、いつもの肉、魚、野菜、果物、マントウ、包子、油条、豆乳などの他に、 衣類、金物類、植木など、ありとあらゆる物が売られていました。 面条や米粉などの屋台も出ていました。 朝市は、「え~、これも?!」と思う物まで売られているので楽しいのですが、 先日は初めて、茶色の毛並みの蹄付きの脚(たぶん牛でしょう)が2本(前脚か後ろ脚かは不明)、 売られているのを見つけました。 写真に撮れなかったのが残念です。
 朝市には美味しそうな物も多いので、ダイエットのためのウォーキングのはずが、 いつのまにか食べ歩きのようになってしまいました。 これでは本末転倒ですよね。 ウォーキングや太極拳を始めて10日ほどになりますが、いまだ変化が無いのは、 やっぱり食への好奇心が抑えられないからでしょうか。 人間、食べ物の誘惑には、なかなか勝てないですね。
 果たして、私は理想のチャイナドレスを作って帰国することができるのでしょうか?  皆さんにお披露目できるよう、あと少し、頑張りたいと思います。
 ではまた、皆さんお元気でお過ごしください。









(関根稚恵 2010年)
 


 
 

哈爾濱(ハルビン)便り6

 
春天来了!
 大家好!皆さんお元気ですか?
 ついに、ハルビンにも短い春がやって来ました!  4月に入っても雪が降ったのには驚きましたが、その雪もすっかり解け、日差しも暖かくなりました。 キャンパスではスポーツを楽しむ学生が増え、通りには雑貨や果物などの露店も並び、春の訪れを感じています。 外に出かける人たちも増えて、先日行った松花江の川べりや近くの斯大林(スターリン)公園では、 散歩をしたりローラースケートをしたり凧あげをする人などで溢れていました。 3月に松花江を訪れた時は、まだ凍った川の上を歩け、そこで凧あげをする人の姿もありましたが、 さすがにもう川には降りられませんでしたね。
 ただ、春と言ってもまだ花も無く、緑も無いので、なんだかさみしい感じがします。 それにハルビンの天気は変わりやすく、朝は清々しい快晴でも、昼頃から雲が多くなり、風が出始め、 夕方からは雨になる、というパターンが多く、一日中晴れて穏やかないい日、というのは少ないです。 幸い、北京のような酷い黄砂はなく、花粉症の心配もいらない、それなりに快適な春を過ごしています。 とは言え、春はやっぱり桜、と思うのは日本人だからでしょうか。 ちなみに、中国では武漢大学の桜が有名だそうです。
 ところで、こちらに来てから、もう半年以上が経ちました。 今更ですが、ハルビンならではの味覚をご紹介しますね。
 まずは、ハルビン啤酒(ビール)。1900年創業の中国最古のビールで、その消費量は世界第三位!  それだけ、ハルビンビールが美味しいということなんでしょう。 いえ、実際に美味しいんです。これはハルビンの人たちの自慢でもあります。
 次に、ビールのお供にもぴったりの紅腸(ソーセージ)。 キヨスクのような売店にはグリル機が置かれ、小さいサイズの紅腸を炙りながら売っています。 1本1~2元で買え、おやつにちょうどいいです。 私は黒胡椒のが好きですね。 大きいサイズは切って野菜と一緒に茹でても美味しいですよ!
 それから、列巴(lie3ba)と言われる俄羅斯大面包(ロシア式巨大パン)。 とにかく固くて大きくて重い(なんと2キロ!)です。 思いきって try してみました。外側は香ばしくまあまあ、でも、内側はモサモサしていて、 味は少し酸味があり、正直いまいち・・・・。 ごめんなさい
 最後に、馬迭爾氷棍(モーテルアイスキャンディー)。 ハルビンの繁華街・中央大街にある馬迭爾ホテル(英語表記はModern Hotel) の売店の店先で売られているのですが(1本2元)、いつも人でいっぱいです。 クリーミィだけどしつこくなくとても美味しいので、中央大街に行くと必ず食べていますよ。 ハルビンの人はみんなアイスが大好きで、氷点下の寒い冬でも食べていました。 普通のアイスは、道端に段ボール箱を並べて売られているんですよ。 冬は外の方が解けないですからね。
 そろそろ帰国のことを考え始めたこの頃です。 ハルビンでまだ食べていない物はないかな、なんてことも考えています。 ではまた、皆さんお元気でお過ごしください。

3月の松花江


ハルピンビールと黒胡椒ソーセージ


ハルピン名物「大列巴」


馬迭爾氷棍
(関根稚恵 2010年)
 


 
 

哈爾濱(ハルビン)便り5

 
雲南・昆明-石林-大理-麗江-香格里拉8日間バスの旅
 大家好!皆さん、お元気ですか?  2月はどのように過ごされましたか?  やはり、バンクーバー冬季オリンピックで盛り上がったのでしょうか?
 こちらは、春節(中国のお正月)で大盛り上がり!  街には紅い提灯や垂れ幕が掛けられ、除夕(大晦日)にはいたる所で花火が上げられ爆竹が鳴らされました。 私も今年の干支・老虎(トラ)のぬいぐるみを買いましたよ。
 そして、待ちに待った冬休み(春節休み)です。 いつかは訪れたいと思っていた雲南地方とアモイの友達のところに行ってきました。 2月4日から雲南地方を回った後、13日の除夕から17日までアモイで過年(年を越し)、 中国の春節(花火と爆竹の嵐)を体感してきました。 とても楽しく充実した2週間で、「私ってやっぱり中国好きなんだなぁ」と改めて感じました。
 火車(列車)の旅もしたかったですが、民族大移動の春節時期だったのと休みの日数の都合で、 今回は昆明まで飛行機で行き現地で旅行会社のツアーに参加しました。 それが、「石林大理麗江香格里拉8遊」です。 以下のような日程で移動は全て大巴士(大型バス)でした。
1日目:昆明  2日目:昆明(石林)→大理
3日目:大理  4日目:大理→麗江
5日目:麗江→香格里拉  6日目:香格里拉→麗江
7日目:麗江→大理→昆明  8日目:昆明
 旅行の主な目的は、思いっきり中国を体感すること、少数民族の文化に触れること、 茶馬古道を確認すること、普洱茶を買うことでした。 少数民族の文化という点では、大理の白族(ぺー族)の三道茶、麗江の納西族(ナシ族)のトンパ文字、 香格里拉の藏族(チベット族)のチベット仏教寺院に興味があったので本当に楽しみでした。 しかも、朝ハルピンを出た時には小雪が舞う-20℃(たぶん)の世界だったのが、 飛行機を降りた途端春というより初夏のような陽気で、街は花と緑と太陽でキラキラまぶしいんです。 すっかり舞い上がっていました。
 石林ではイ族の阿詩瑪(アシマ:イ族の女性の呼称)の衣装を着て写真を撮ってもらったり、 大理ではペー族の民族衣装でこれまた写真を撮ってもらったり、 その他、面白いと思うものを片っ端から撮影していたら、バッテリーの残量が激減!  女一人旅だったので極力荷物は減らそうとチャージ用のアダプターは持っておらず大失敗!  一応、ビデオカメラも持って行ったので、各民族の歌や踊りなどはこちらで撮影しましたが、 後半のアモイまでは持ちませんでした。すごーく残念!  次はどんなに重くかさ張っても必ず携帯しようと心に決めたのでした・・・。
 写真は無くても旅の楽しさは変わりません。 大理の澄み切った空気と青い空。雄大な蒼山を背に立つ崇聖寺三塔。 洱海の遊覧船で堪能したペー族の民族舞踊と三道茶。 麗江の趣ある古城と清らかな水路。 水面に玉龍雪山と青い空を映した黒龍譚。 香格里拉の薄い空気と強風に煽られカタカタ回るマニ車。 300人にも及ぶ人たちとかけ声をかけ盛り上がったチベット族民家での大宴会。 標高3500mを超える普達措国家国立公園で遭遇した毛牛やリスたち。 私が見て聞いて食べて経験したことはみんな心の中に思い出となってあるのです。
 でも、麗江ではもう少し古城や古鎮を散策したかったし、トンパ文字についても知りたかった。 茶馬古道の資料も購入したかった。 香格里拉では、怪しいチベット薬草やチベット仏教の唐卡(タンカ:仏画、宗教画のこと)もいいけど、 やっぱり雲南のポタラ宮と言われるチベット仏教寺院にも行きたかった。 欲を言えばきりがないですね。
 やはりツアーというのは自分の興味のあるところばかり行ってくれるわけではありません。 御多分に洩れず買い物ポイントにも立ち寄るわけです。 玉や銀、お茶、漢方薬など売っているお土産センターですね。 休憩ポイントでもあり、中国のトイレ事情を考えると有り難かったですが、 ついつい釣られて予定外の買い物をしてしまいました。 それにしても中国人は玉が好きですよね。 女性も男性も何らかの玉製品を買っていましたよ。
 他にも皆さんにご紹介したいエピソードや、春節・アモイ編もありますが、それはまたの機会にいたしましょう。
 最後にペー族の三道茶について簡単に説明します。 私が体験したのは遊覧船内で行われるペー族の舞踊の際に出されるものなので完全に観光用なのですが、 三道茶とはお客様をもてなすために出される三杯のお茶のことです。 一苦二甜三回味と言って、その味は人生にもなぞらえているそうですよ。 一杯目は苦茶(苦くて香ばしい感じ)、 二杯目は甜茶(甘い、細かく砕いた何か果物やナッツのようなものが入っていた)、 三杯目は回味茶(シナモンか生姜が効いていたようだが苦いとも甘いとも言えない味)、 淹れ方が見られるかと思ったら、奥から運ばれて来て小さな紙コップで出されました。 ちょっと期待外れでしたが、ペー族の踊りを見ながら三杯のお茶を味わえたのは面白い経験でしたね。
 それから、前回の哈爾濱(ハルビン)便りの最後に触れた、 アモイの友達の家(実家は彰州市)では年越しに何を食べるか?  それは「鍋と年糕(お餅)」でした。 分かった人はいらっしゃいますか?
 では、次回もお楽しみに。

石林


大理・白族舞踊


麗江・黒龍譚


麗江・茶馬古道博物館の門
(関根稚恵 2010年)
 


 
 

哈爾濱(ハルビン)便り4

 
所変われば品変わる・・・祝祭日のいろいろ
 大家好!皆さん、お元気ですか?  お正月はどのように迎えられましたか?
 こちら、中国のお正月<春节chunjie>は旧暦の1月1日ですから、 今年は2月14日なんですね(なんとバレンタインデー<情人节qingrenjie>と重なってるんですよ!)。 これからお正月を迎えるわけです。 学生に「今年の干支は何ですか?」と質問したところ「丑」との返事が。 もう2010年になっていたので「いやいや、丑は去年で今年は寅だよね。」、 すると「寅は来年です。まだお正月になっていません。」と言われてしまいました。 日本人には不思議な感じですよね。 というように、今回は、私がハルビンに来てから経験した、 ちょっと日本とは違う祝祭日についてご紹介したいと思います。
 私が最初に経験したのは、9月10日の教師の日<教师节jiaoshijie>です。 お世話になっている先生方に感謝の気持ちを伝えるというもので、 哈爾濱工業大学で教えて間もない私でさえも、学生達から花束やチョコレートのプレゼントをもらい感激しました。 外国語学部主催の教師のための食事会も行われ、中国の先生は幸せだなと思ったものです。 この教師節は日にちは異なっても台湾や韓国、シンガポールでもあるそうです。 どうして日本にないのかと考えていたら、 ある中国人の先生が「中国では教師の地位や待遇が良くないからわざわざこんな日を作ったのです。 日本の教師は本当に尊敬され地位もあるから教師の日は必要ないのでしょう。」とおっしゃっていました。 本当のところはどうなのでしょうね。
 次に、10月1日は中国の建国記念日<国庆节guoqingjie>で、3日間の休みです。 2009年は特に中華人民共和国建国60周年だったため大変な盛り上がりでした。 通りには赤い旗や提灯、垂幕が飾られ、お祝いムード一色。 北京の天安門広場で行われた軍事パレードや式典は延々とテレビ中継され、後からも録画を繰り返し流していました。 日本でもNHK当たりでニュースになったのではないでしょうか。
 また、旧暦8月15日の中秋節<中秋节zhongqiujie>が10月3日で国慶節の休暇と重なったため、 2009年は最大8日間の大型連休でした。 中国のゴールデンウィーク<黄金周huangjinzhou>ということで、 北京への人出も多く式典の盛り上がりにも影響したと思います。
 そうそう、中秋節と言えば月餅<月饼yuebing>ですね。 中秋節には家族や親戚と月餅を食べる習慣があり、連休の里帰りや友達へのお土産に月餅を買う人も多く、 この時期は店内だけでなく店頭にも月餅専用コーナーができます。 ばら売り、箱売り、大きさも味も値段も種類は様々です。 私は塩卵入りが好きなので、食べ比べてみようといくつか買ったところ、 大学の外教事務局からもプレゼントされ、月餅を毎日のように食べる破目になってしまいました。 国慶節の日も月餅を食べながらテレビで軍事パレードを見ているうちにウトウトと・・・。 この時期一気に太ったことは言うまでもありません。
 ところで、 中国でクリスマス<圣诞节shengdanjie>ってどうなんだろうと思われた方いらっしゃるのではないでしょうか。 ここハルビンでは、ホテルやデパート、 観光地などで比較的早くからクリスマスツリーが飾られイルミネーションが輝いていたようですが、 私の生活圏内(大学周辺)ではほとんどクリスマスの影はありませんでした。 授業も忙しく正直忘れていたくらいです。 それが、クリスマスの1週間前に急に留学生寮のロビーにツリーが現われ窓や壁に飾りつけがされ、 大学のスーパーではクリスマスソングが流れると共に店員がお揃いの赤い帽子をかぶり出しました。 妙に可笑しかったですよ。
 それから、最近の習慣として24日のクリスマスイブ<平安夜ping-anye>には恋人や友達、 親しい人にリンゴ<苹果pingguo>を送るそうです。 スーパーにはきれいにラッピングされたリンゴがあって、私も学生からもらいました。 <平>と<苹>の音が同じことからリンゴを平和の象徴としてイブに送るようになったそうです。 ただ、年配の先生はご存じなく、学生が中学生のころから始まったと言っていましたので、 本当に最近の、もしかすると東北地方だけの習慣かもしれません。
 そして、日本のお正月である1月1日は中国ではただ<元旦yuandan>で休みは1日だけです。 デパートや電気店で新年価格やカレンダーのおまけ、福引などのサービスがありましたが、 ほぼ通常通りの休日でした。 中国人に「新年好!」といっても「気が早いね、何言ってるの」てな顔をされるのがオチだそうで、 結局、まだ誰にもこの挨拶をしていません(日本語科の先生方は例外です)。 年が新しくなったことは事実で、ニュースでも「新年早々北京で大雪!」と見出しをつけたりしていますが、 それでもやっぱり年越し<过年guonian>はしていないんですよね。 やっぱり不思議な感じです。
 ちなみに、ハルビンでは大晦日<除夕chuxi>の夜に水餃子を食べ、春節に魚料理を食べるそうです。 魚<鱼yu>は一年を通しゆとりがあるという意味の<年年有余niannianyouyu>の<余>の音に掛けた縁起物なんですね。 正月に縁起物を食べるのは日本も同じですよね。 ただ年越しの料理は地方によって異なるようで、 アモイ<厦门xiamen>に住んでいる友達の家では餃子は食べないそうです。 では、何を食べるのか、それは実際に行って確かめたいと思います。
  実は2月4日から雲南地方を旅行し、春節はアモイの友達の家で過ごす予定でいます。 次回の哈爾濱(ハルビン)便りで、雲南旅行と春節のことをお伝えできればと思っていますので、お楽しみに。

※中国の祝祭日に関心のある方、中国のサイト(簡体字)ですが、
 こんなの がありますよ。参考にどうぞ。





(関根稚恵 2010年)
 


 
 

哈爾濱(ハルビン)便り3

 
哈爾濱、冬の風物詩
  大家好!皆さん、お元気ですか?
 皆さんはこの冬、どのようにお過ごしですか?
 まずは、暖房設備、<暖气nuanqi>です。 これ無くしてハルビンの冬は過ごせません。 配管に温水を流して部屋を暖めるこの<暖气>、10月下旬ころから入り始めたのですが、 最初はチョロチョロと水の流れる音がしていて、触れてもさほど熱くないんです。 ところが、不思議と室内は暖まっていて、時には暑いくらいです。 さすがに雪が降るようになってからは(初雪は11月13日!)、<暖气>も触ると熱いですが、 火の気も無いのに部屋は暖かく、時にはTシャツでもOK!  空気も汚れず快適です。 ちなみに今の室温は24℃、外はたぶん氷点下26℃くらいでしょうか。 教室の中も廊下や階段の踊り場もレストランも銀行も、 どこにでもこの<暖气>があって室内で寒いと感じることはないですね。
 次に、この<暖气>で温めた室内に冷気が入らないように建物の入り口に掛けるカーテン、<暖帘nuanlian>です。 この蒲団のような綿入れカーテン<暖帘>を初めて見た時は滑稽に見えましたが、 寒さが厳しくなるにつれ納得しました。 やはりこれもキャンパス内の建物だけではなく、デパートや電気店などの建物にも掛かっています。 そして、更にキャンパス内のいくつかの建物では、入り口そのものを風雪から守るための板が組まれました。 寒い地域だけあって窓も二重ですし、寒さ対策はバッチリです。 事実、上海に出張していた中国人の先生が、「あちらは寒かったですよ~、暖房がないんです。」とおっしゃって、 上海の寒さに体調を崩していました。
 それから、冬になると街頭に出回るお菓子、<糖葫芦tanghulu>です。 <冰糖葫芦bingtanghulu>ともいうこのお菓子は、竹串に刺したサンザシの実に、煮溶かした砂糖を絡め、 冷やして固めた、昔ながらの素朴なものです。 日本でいう屋台のリンゴ飴ですね。 これが街中で売られるようになると、ハルビンの人は皆、「あ~冬が来たんだな~」と思うそうです。 甘酸っぱいサンザシの実と甘い飴の組み合わせがとても美味しいですよ。 飴も寒さでパリッとしていてあまりベタつかないし、なるほど、冬の食べ物なんですね。 実は去年の夏北京に行った時、同僚が買って食べたんですが、飴が柔らかく何だか違うもののようでした。 完全に観光用で季節外れだったんですね。 定番はサンザシの実ですが、キウイフルーツやパイナップルを一口大に切って串に刺したものもあります。
 最後に、ハルビンの冬と言ったら何といっても 氷雪祭り、<冰雪节bingxuejie>ですよね。 氷の彫刻や建造物、雪像などが、兆麟公園、太陽島公園、松花江の河川敷と3ヶ所の会場に分かれて設置されます。 氷と雪の祭典ですね。 中でも<冰灯bingdeng>は、 氷の彫刻や建造物に色とりどりの蛍光灯やLEDが組み込まれライトアップされたもので、 その幻想的な氷の世界はそれはそれは美しいですよ。 <冰雪节>の主役と言われるだけあってスケールも大きく見応えがあります。 どんなに寒くても一見の価値はありますね。 この氷はハルビン市北部を流れる松花江から切り出されたものだそうです。 この時期、街角や少し広い通り、 ロシア建築の残る観光地<中央大街zhongyangdajie>にも氷の彫刻がお目見えします。 そして、松花江では寒中水泳をする人もいるんですよ!  今年の開催は1月5日から、 <第26届哈尔滨国际冰雪节diershiliujiehaerbinguojibingxuejie> が正式名称です。 皆さん遊びにいらっしゃいませんか?  それでは皆さん、本年もよろしくお願いいたします。
  新年快乐!恭贺新禧!年年如意!岁岁有余!天天好运!四季平安!虎年福到!







(関根稚恵 2010年)
 


 
 

哈爾濱(ハルビン)便り2

 
意外にもフルーツ天国・ハルビン
  ここハルビンは、中国の中でも北に位置する黒竜江省にあって、 中国人でも冬には行きたくないと思うような寒い地域です。 ところが、果物がとても豊富なので驚きました。 と言っても、ハルビン産(または黒竜江産)は少ないですが、その種類は多く、 日本でもよく目にするリンゴやバナナ、ナシ、ブドウなどの他に、 新疆ウイグル自治区産の哈密瓜(メロンの一種)や台湾産の木瓜(パパイヤ)、火竜果(ドラゴンフルーツ)、 広州産の竜眼なども学校内のスーパーで買うことができます。
 最近ではサンザシや棗が出回ってきました。 これは日本で見かけることはないですよね。
 果物はどれも日本に比べて値段が安いので、先日、 日本では食べたことのなかった榴蓮(ドリアン)とドラゴンフルーツを食べてみました。 ただ、さすがにあのドリアンを丸ごと買うのは大変だったので、小分けにパックされたものにしましたが、 まさか、南国フルーツを北国ハルビンで食べるとは、思いもよりませんでした。
 それから、こちらに来て驚いた果物が二つあります。 一つは柚子。 その大きさにビックリです。好奇心から買ってはみたものの、どうやって剥いたらいいか、 まだ包丁もまな板もありませんでしたから、しばらくは置きっぱなしにしていました。 やっと包丁セットを買ったので、何とか剥いてみると、そのひと房の大きいこと!  何日かに分けて食べましたが、一回食べてみれば十分ですね。 でも、誰かが剥いてくれるなら話は別ですよ。
 実はこの柚子、日本の文旦(ザボン)のことなんです。 茶芸教室でも話題になったことがありましたが、私は文旦の実物を見たことがなかったので驚いてしまったわけです。 ちなみに、日本の柚子は中国語では‘香橙(xiang1cheng2)’といいます(『東方中国語辞典・東方書店』より)。 詳しくは楊先生が 茶・茶語録 茶的故事 台湾茶其の三十三 に書いていらっしゃいますので、 ご覧になってみてください。
 もう一つは柿です。 見た目には日本で食べる柿と何の違いもないのですが、触ってみて、その柔らかさにビックリです。 正直、「これ、腐ってるんじゃないの?」と思いました。そして思わず並んでいる柿の一列を全部触ってみました。 全部柔らかいんです。 屋台のおじさんには、これだけ触ったんだから当然買うんだろうな、と思われたのでしょう、 何も言っていないのに袋が渡されました。 聞いてみると、柿は柔らかいのが甘くて美味しいんだそうです。
 そしてまた、剥く時にビックリです。 ナイフは必要ありません、手で十分です。 まるでトマトの湯むきのように柿の皮が剥けるんですよ! 食べてみると、確かに甘く(干し柿のような甘さ)美味しいですが、 私は日本のシャリシャリ感を残した柿の方が好きですね。
他にも紹介したい果物はありますが、またの機会にしましょう。 季節も変われば、また何か面白くて美味しいものが出てくるかもしれませんしね。







(関根稚恵 2009年)
 


 
 

哈爾濱(ハルビン)便り1

 
 大家好! 皆さんこんにちは!
 早いもので、私がこちら(ハルビン)に来てから、もう2カ月が経ちました。 皆さん、お元気でいらっしゃいますか?  私はすっかりこちらの生活にも溶け込み、元気に過ごしています。
 さて、『哈爾濱(ハルビン)便り』ですが、早く書かなければ・・・と思っていても、 日本語の授業の準備に追われ、ついつい先延ばしにしてしまいました。すみません。
 少しずつですが授業の方も落ち着き、生活にも慣れてきましたが、日本とは違う事も多く、 トラブルあり発見ありの毎日です。 そんな生活の中で私が感じたことを、中国(哈爾濱)事情を紹介しつつ、 取りとめもなく書き綴っていこうと思っています。 どうぞ、お付き合いくださいませ。
 皆さんが読んで楽しく、中国を身近に感じてくだされば幸いです。 質問や感想などもいただけると嬉しいです。どうぞ、よろしくおねがいします。請多多指教!

飲み水・・・お茶もこれで!?
  海外で生活するとなったら、気になるのは水のことですよね。 特に中国は日本とは異なる硬水ですら、水道水を直接飲むことはしないほうがいいと言われています。
「そうすると、ミネラルウォーターを買い置きすることになるのか・・・。 でも、お湯を沸かしてお茶を飲むんだから水道水でもいいか・・・。 でも沸かす道具がないや・・・。 いや、昔北京では給湯室があってお湯が汲めたけど、ここには無いのかな・・・。」
 なんてアレコレ考えていたら、やっぱり飲み水用のタンクセット(レンタル)がありました。 このセット、こちらでは一般的らしく、学校の事務室や職員室、銀行、病院などの待合室にも置いてあります。 中国人の先生のお宅にも置いてありました。 日本でも最近はオフィスや病院、美容院などで見かけることがありますよね。
 最初に桶装水配送の会社で契約をし、事前に水タンクのチケットを12枚購入しました。 タンクが空になると届けてもらえるので大助かりです。 お湯も出るので、別にお湯を沸かさなくてもお茶も飲めます。 が、もっぱらマグカップに茶葉を入れ、そこにお湯を注いで飲む大陸(主に北方)スタイルの飲みかたをしています。 茶芸教室の時のようにお茶を楽しむには、これから道具を揃える必要がありますね。 ただ、こちらの人たちは、工夫茶器でお茶を飲む習慣はあまりないようです。 学生に聞くと、「それは南の地方の人の飲み方です。」と答えが返ってきました。
 最近はこちらの学生のまねをして、 茶葉の代わりに檸檬片(レモンスライスを乾燥させたもの)にお湯を注いで飲んでいます。 棗を入れて飲んでいる子も見かけたので、それにも挑戦しようと思っています。

飲み水用のタンクセット



山楂干と檸檬干
(関根稚恵 2009年)