中国紅茶について

 
  紅茶は醗酵茶の一種である。 中国紅茶で有名な産地は安徽省の祁門(キーモン)である。 世界三大紅茶であるウバ、キーマン、ダージリンの一つに挙げらている。

 他に、楊貴妃が好んだフルーツのライチのフレーバーを付けた「茘枝紅茶」や、 変わり種として、松柏の木のけむりを使って燻製のように香り付けされた「ラプサンスーチョン」(小種紅茶、正山小種、星村小種)などがある。

 台湾産としては、花蓮県瑞穂郷の鶴岡紅茶が有名である。 台湾では何も加えず飲むのが主流だったが、台中に本店を置く泡沫(パウモウ)紅茶スタイルという喫茶店が登場し、 タピオカ、ミルク、さとう、生クリームなどを入れて飲まれている。 起源は日本のコーヒー専門店で、春水堂人文茶館のオーナー劉漢介氏が思いついたそうである。 ただし、泡沫紅茶の発祥店は台南の「翰林茶館」説もある。 なお、劉漢介氏は、茶杯を細長くした聞香杯の考案者としても知られている。

 中国紅茶は茶葉を細かく刻む散茶製法が一般的であり、一煎目から飲むことができる。 中国式紅茶の入れ方も、日本でいう英国式と同様である。

1. ひとり分の茶葉はスプーン一杯を目安。
何か加える場合、プラス一杯が使用量。

(右の画像は、楊品瑜著『中国茶ドリンク集』より引用)
2. 必ず熱湯を!
ポットとカップも温める。
3. ポットの湯を捨て、茶葉を入れ、再び湯を注ぎ、 茶葉のジャンピングを起こす(成分の抽出)。
4. 保温のためティーコージを掛けて蒸らす。
キーマンの大きい葉の場合、ストレートティーなら3分、 ミルクティーなら3.5分~5分が目安。
ティーコージがないときは、きれいなタオルをかけてもよい。
5. カップの湯を捨て、カップにうつし、一煎目からどうぞ。
カップに入れる前にポットの中をひとかき混ぜるとグッド。

参考) 複数人分のときは、別に温めておいたポットに茶濾しで濾しながら紅茶をまとめて入れ、カップに注ぐ。
11月1日は「紅茶の日」。
大黒屋光太夫がエカテリーナ二世の茶会に招かれ、 日本人が紅茶飲んだ最初と言われている。

出がらしの利用法
・フライパン、魚焼き網を出がらしでふき取ると匂いもスッキリ。
・消臭剤代わりに冷蔵庫に。
・肥料として使う。
(近藤 悦子 2016年)