レモンバーム

アロマリズム

 
    レモンバームは和名を西洋ヤマハッカ、別名をメリッサと言い、シソ科の多年草です。 その香りはレモンのようなさわやかさと甘い香りで、とても高価な精油のひとつとして、 香水など多くの人たちに好まれています。 1kgの精油を得るのに7tもの葉が必要とされるのですから、ローズやネロリなどのように、 貴重な1滴と言えるでしょう。 高価な精油に比べ、ハーブとしては栽培しやすく、料理やハーブティーとして手軽に使うことができます。 やはり、薬効にすぐれ、地中海地方で二千年以上も昔から栽培されていたハーブのひとつで、 解毒剤や腹痛、歯痛などの緩和に用いられていたそうです。

  最近花粉症予防でも注目されましたが、抗アレルギー作用によるものだと思います。 また、解熱作用、発汗作用があることから風邪をひいた時によいとされ、 これからの季節には欠かせないハーブでしょう。 さらに、胃腸の強壮にもすぐれ、消化を助け、食欲を高める効果があることから、 食事前後の飲み物としてもよいでしょう。 このハーブティーにハチミツを入れ、毎朝飲んで百歳以上長生きしたという、ヨーロッパの逸話が残っているそうです。 決して薬ではないので、つい薬効ばかりに気が取られてしまいますが、 味と香りとその時のゆったりとした気持を楽しんでいきたいものです。

  我が家のレモンバーム、今年は人間の口に入る前に虫たちの御馳走になってしまい、気がついたら丸坊主の姿でした。 9月頃に思いきって剪定し、10月には新しい芽が出てきましたが、冬に向かうこれからは収穫には期待できません。 ドライのハーブティーで我慢して来年の虫対策を練ることにします。

忍田篤子 2006年12月

我が家のレモンバーム