レモングラス

アロマリズム

 
    タイ料理のトムヤンクンを初めて食べたときのこと、その中に入っていた細長い葉を口に入れ、 それが香り付けのために入っていることを聞き、思わず吐き出した覚えがあります。 ほんとに厄介なものを入れるんだなと思いながらも、 トムヤンクンの味と香りとその辛さに感激したものです。 その後、その細長い葉がレモングラスと分かり、 お茶にして飲むと知ったときもちょっとした感動がありました。

  レモングラスはイネ科オガルカヤ属の多年草で和名をレモンソウといい、 葉を指でこすると少し土臭さのあるレモンのようなさわやかな香りがします。 この香りはシトラールという成分によるもので、 リフレッシュと落ち着きをもたらす働きがあることから「ドライバーの精油」と呼ばれ、 車の運転などには車内の芳香剤として使うのに良いとされています。 また、蚊や蛾、犬や猫につくノミ除けなどの防虫として役立つことから、 手作りの虫除けスプレーにはこの精油はかかせません。

  インドでは数千年にもわたって愛用され、その精油は「インドバーベナ油」、 「インドメリッサ油」と呼ばれ、解熱剤や感染症、 腫瘍の進行を食い止めるのに役立つ薬として使われていました。 また、中国では全草を下痢、はしか、のどの痛み、頭痛などの治療に用いたそうです。

  栽培は寒さに弱いため、冬は株を掘りあげて軒下か室内に置くようにしますが、 最近は怠けてしまい枯れ葉で根元を覆って冬越しすることにしています (関東から北の方は注意が必要です)。 春先か夏にかけて新しい葉がでてきたらフレッシュティーでいただきます。 そのすがすがしいさわやかな味と香りはフレッシュならではです。忍田篤子 2007年10月


  レモングラスはミント系やレモン系のハーブと相性がよいので、 市販のブレンドティーには必ずといっていいほど入っているようです。 以前、紅茶に入れて飲むのがマイブームで友達にもよく勧めていました。 もし、安い紅茶が手に入りましたら試してみてください。 レモンティー紛いの紅茶が美味しくいただけるかもしれません。

忍田篤子 2007年9月

レモングラス