ポットマリーゴールド

アロマリズム

 
    我が家の門扉横に小さな花壇があります。 季節ごとに草花を植えようと楽しみにしていた数年前にマリーゴールドを植えたことがありました。 しかし、そのマリーゴールドは一晩にして茎だけの無残な姿になっていたのです。 その下には小さな黒い粒がたくさん落ちていました。 この状況から私はすぐにねずみの仕業だと思いました。 というのも、花屋に勤めていた友人から「ねずみがマリーゴールドを食べる」という話を聞いたことがあったことと、 我が家の庭でねずみがお腹を大きくしてのそのそと歩く姿を目撃していたからです。 でも落ち着いて考えてみるとねずみの糞にしては小さいような気もします。 その後、犯人は見つからないまま、花壇はツツジとハツユキカズラでシンプルにしています。

  ふつうマリーゴールドと呼ばれているのは園芸用のもので、キク科マンジュギク属のフレンチマリーゴールドです。 ハーブとして薬効を生かし活用しているのはキク科キンセンカ属のポットマリーゴールドです。 別名をカレンデュラと言います。 どちらも花はオレンジ色で見る人の心を明るくしてくれます。 昔から太陽のハーブとも呼ばれ、日の出とともに花が開き、日中は太陽に顔を向け、 夕方には花が閉じる向日性の植物です。

  この花びらは黄色の着色料として古くからチーズやバターに使われていました。 サラダに散らしたり、サフランの代用品としても使われています。 花びらのお茶は発汗作用があるので、風邪で熱があるときなどの症状を緩和してくれます。 また、口臭予防、更年期障害、肝臓の働きを活発にするといわれています。 特に浸出液は直接肌に着けることでいろいろな効果が期待できます。 入浴剤、スキンローション、クリーム、石けんなど手作りで気軽に利用したいですね。

  さて、マリーゴールドはよく畑の周りに植わっているのを見かけます。 野菜や果樹などのそばに植えると強い香りが害虫を惑わせ、寄せ付けないとのこと。 防虫の働きをするのですから、やはりあれはねずみの仕業だったのでしょうか。

忍田篤子 2008年2月

ポットマリーゴールドのハーブティー