ブラックベリー

アロマリズム

 
    町内会費を集めに新役員の方が「いい香りがしますね」と言いながら庭の方から入ってきました。 その方はブラックベリーの薄ピンク色の花を指しながら言われ、 きっとこのいい香りはこの花からなのだと思われたのでしょう。 実際にはブラックベリーの花の香りは強くは感じられませんので、 庭に咲くハーブたちの爽やかで甘い香りが風にのってきたのでしょう。 お仕事をされているため普段はあまりお付き合いのない方ですが、 ハーブの香りのおかげで趣味や退職後のことなどいろいろお話しすることができました。

  ブラックベリーの花はこれから次々と咲き、蜂たちも忙しく飛び回る時期です。 近くにある鼠モチの木にからませて今年で3年目に入りますが、モチの木の白い花が咲く時期と同じになり、 蜂たちは大忙しで飛んでいます。ブラックベリーはバラ科キイチゴ属の和名を西洋ヤブイチゴといいます。 自然に任せ大きく育つとヤブのようになっていき、生命力の強さを感じます。 原産はヨーロッパで「棘がある」という意味の別名ブランブル(blamble)ともよばれています。 最近では棘のないものもあり、剪定や収穫のときに痛い思いをしなくて助かります。

  甘い実はビタミンCが豊富にあり、生でフルーツとしてたくさん食べたいですね。 また古代からそのおいしい実ばかりでなく薬用としても用いられた長い歴史があるそうです。 痛風の薬に使われたり、口内、腸内の炎症、下痢、赤痢、痔、子宮内の充血などにも効果があるとされていました。 根はオレンジ色の染料になります。 保存する場合、葉は乾燥させてハーブティーに、実は冷凍やジャムなどにします。

  ブラックベリーのもうひとつの楽しみは花から実になる変化、収穫後の美しい紅葉です。 できれば生垣にして道行く人たちにも楽しんでもらえればと思いますが、 我が家のブロック塀ではそれも当分お預けです。 お近くの方は今の時期どうぞ庭からお入り下さい。

忍田篤子 2008年6月

ブラックベリーの花