エリゲロン

アロマリズム

 
    暑さ寒さも彼岸までと言われるとおり、今年もいつのまにか日差しは秋の気配になりました。 庭の片隅に咲く白く小さなエリゲロンの花が、決して目立ちはしませんが春から咲き続けてくれています。 何年か前に春の寄せ植えにと購入した苗から飛んでいったのでしょうか。 タンポポのように綿毛が飛んで思わぬところから芽を出し、雑草のようにとても逞しい花です。

  エリゲロンは和名をノボロギクといい、キク科の一~二年草です。 原産地は北アメリカで、 荒地でもどこでもすぐに殖えてゆくことから「大地の大食漢」という意味の別名があります。 ハーブティーは利尿作用があり、便秘にもよいとのことです。 また、濃いお茶は吐剤になりますので注意が必要です。 ハーブとしてはあまり馴染もなく、 香りも特に感じることはないのですが薬効を利用することでハーブの仲間として捉えているようです。

  さて、我が家のお彼岸も恒例になり、 集まってくれる叔母たちから「我が家のルーツ」について話を聞くのが楽しみのひとつになっています。 今年は戦前からの古いアルバムを取り出し、一枚一枚の写真に語りつくせないドラマがあることを教えてもらいました。 そして今まで以上にご先祖様たちを近くに思うことができました。 「たまには私たちを思い出しておくれ」という意味もお彼岸にはあるのかもしれませんね。 普段は気にも留めない庭のエリゲロンの花たちもそう言っているようでした。

忍田篤子 2008年10月

エリゲロン