茶・茶語録ユーカリ

	ユーカリ	アロマリズム
	ユーカリというと２０年前オーストラリアに旅行したときのことを思い出します。私がはじめてユーカリノキを見たのは、シドニーから１００ｋｍ位離れたところにある「ブルーマウンテン国立公園」に行ったときです。そこは砂岩質の岩盤一面にユーカリノキが生えていて、展望台から見る山々が青く見えることから、「ブルーマウンテン」と呼ばれています。ユーカリノキから出るエッセンシャルオイルが空気中に漂い太陽の光に反射して青く見えるそうです。　そして、この山々を見下ろすようにそびえ立つ三つの岩の話も興味深いものでした。この三つの岩は、昔、魔術師が美しい三姉妹を魔王から助けようとして魔法で岩にしてしまったという伝説の「スリーシスターズ」です。どこまでも連なる青い山々を何百年と見守り続けているスリーシスターズの姿はとても神秘的な世界を私たちに語りかけているようでした。　さて、ユーカリはフトモモ科ユーカリノキ属、常緑高木で５０ｍ以上になります。生長が速く、適応性も広いため世界各地でもっとも広く植栽されている樹種のひとつです。日本では明治初期に種子が入ってきて、空気がきれいになるなどの利点があることから「有加利」の当て字が使われていました。　鼻の通りをよくするフレッシュな香りはルームスプレーや吸入剤として花粉症や風邪の症状を緩和してくれるでしょう。また、ユーカリ茶としては、最近デトックスで注目されていますが、コレステロールの排出を促し、肥満やむくみの改善によいとされているようです。ただし、多量に摂取するとかえって有毒となりますので、毎日続けて飲むことは避けたほうがよいと思います。忍田篤子　2007年４月	ユーカリの苗木