宜蘭県の玉蘭茶区は主に大同郷松羅村、玉蘭村に集中しています。
大同郷は台湾三大林場の太平山、阿里山、八仙山があることでも知られています。
なかでも最大林場の太平山があったことで、以前は大平郷と呼ばれていました。
しかし、台中県太平郷と同名のため、1958年に台湾省政府の仲裁により、抽選によって「大同郷」と改名されました。
元々この一帯には多くの泰雅(タイヤル)族が住んでいましたが、漢民族が製材所を設置しました。
泰雅族はその場所を泰雅語で製材の意味で「HELAN」と呼ぶようになり、この発音に漢字の「玉蘭」が当てられ、
地名となったのが茶区名の由来です。
宜蘭茶の本家本元は大同郷の玉蘭茶区といわれ、包種茶が多く生産されてきました。
茶樹は「青心烏龍」と「青心大冇」の二品種が多かったのですが、近年は金萱の栽培も多く取り入れられています。
茶は文山茶区に近いことで包種茶の作りが多いのですが、独自のブランド化を目指し軽発酵の茶も多くなっています。
しかも、台湾の高級茶嗜好の影響で、もっとも美味しい時期の春と冬にしか茶摘みをしない農家が増えているようです。
一方で、県政府も指定茶区内にスプリンクラー、貯水池、作業用専用道路の新設の補助を行い、
茶葉栽培や製茶の向上を目指す研修は盛んに行っています。
近年の玉蘭茶区では宿泊ができる観光茶園も多くなり、茶料理を食べたり、
茶入りの加工品や茶葉の土産を買ったりできるようになりました。
最近注目されている客家茶「擂茶」が飲める店もあります。
また、泰雅族、客家人、閩南人、外省人など多彩な茶農によって、
それぞれの特徴ある建物や食文化が楽しめる文化村も自然に形成されていますので、観光するのも面白いと思います。
蘭陽百景の一つの松蘿湖は、「夢幻湖」や「十七歳之湖」とも呼ばれています。
その由来はいつも霧がかかっており、17歳の恥ずかしがりやの少女のようだからだそうです。
松蘿湖は行政上では台北県烏來郷に含まれますが、松蘿村、玉蘭村が入口となっていますので、
玉蘭茶区観光と合わせて風光明媚な景色をお楽しみください。
入手した大同玉蘭茶のパッケージは一般的なものでしたので、今回は茶葉の写真を載せてみました。
楊品瑜 2006.01.15 (転載不可)
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玉蘭茶の茶葉

玉蘭の茶畑
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