南投県竹山鎮の西側に位置する照鏡山は半世紀前までは数えるほどの茶園しかなかったのですが、、
近隣の鹿谷郷の銘茶凍頂茶の影響を受け、1981年頃から本格的に茶栽培に力が注がれるようになりました。
初期には採取した茶葉は近隣の名間郷に送られ、松柏長青茶になったり、
一部は低価格の凍頂茶になったこともあったそうです。
近年は地形的多くの山並があり、阿里山茶区とも隣接し、台湾黒茶の生産でも注目されています。
取材した限りでは餅茶(茶葉を丸くかためたもの)にすることにも成功していますが、
今後の成長を見守っていきたいお茶のひとつです。
照鏡山は海拔227メートルで、その名は、山の斜面が綺麗な斜めで、
まるで鏡台のようであることに由来します。
旧称では「江西林山」と言われていました。
昔はさつま芋畑の産地でしたが、現在は竹山茶の主な茶区となっています。
他に標高が400から500メートルの間でも延山、桂林、田子、坪頂一帯で茶が作られています。
この一帯で産する茶は以前は照鏡山茶もと呼ばれていましたが、現在は竹山茶という通称が使われています。
照鏡山から更に高い所で1600メートル以上の濁水溪、
清水溪の両渓谷の交差地から拡がった一帯に栽培されているのが、
以前に紹介した高級高山茶の杉林渓茶です。
現在は近隣の茶畑も杉林渓茶を名乗ることが多くなりましたが、
一般的にはやはり竹山茶という通称が使われています。
また、竹山茶のもう一つの主産地である坪頂里(俗称 山坪頂)では、
茶畑の最も高いところに九二一台湾大地震後に「茶王亭」が作られ、
茶園が一望できるちょっとした名勝になっています。
坪頂里は前に紹介した雲林雲頂茶の産地である同じ坪頂台地につながります。
竹山茶区でもっとも栽培されている品種は青心烏龍種です。
1983年の春茶優良茶比賽では受賞茶が即日完売したことから、ブランドが定着したと言われています。
近年は金萱、翠玉等の優良新品種も栽培され、年に5から6回茶摘みをする農家も少なくないですが、
やはり春茶と冬茶の品質が良いです。
一般的には量産を考え機械化した茶農家が多いのですが、
春冬はなるべく「一芯二葉」で手摘みにこだわる農家も多く、
茶摘みの時期には畑から茶摘み歌がよく聞こえてくる懐かしさがあります。
また、近年高値で販売されている竹山鎮産の高山茶区に大鞍山区があります。
大鞍山区は竹山鎮の後花園(日本的には裏庭というような意味)とも言われ、
なかでも大鞍竹海風景区にある軟鞍茶園はちょっとした観光地になっています。
茶畑は段々畑でありながら中国の占いの八卦のような形に拡がっているのが面白く、
このため八卦茶園といわれることもあります。
ここでは、台湾の茶、特にペットボトル茶に関する多くのコマーシャルがここで撮影されています。
入手した竹山照鏡山茶のパッケージも一般的なものでしたので、茶葉の写真を載せてみました。
楊品瑜 2007.03.10 (転載不可)
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竹山照鏡山茶の茶葉
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